我々の魂の中にある文藝を放棄してはならぬ

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往復書簡1 by女生徒

 前略

 

親愛なる副会長、大江汐帆様。恙なくお過ごしでしょうか。

 

そして、読者の皆様ごきげんよう、女生徒です。

ペンネームをさらっと変えましたが、ブログでは女生徒でも良いかなと思っています。ぶれぶれです。

 

突然のお手紙で驚かせてしまったかもしれません。尊敬する歌人の方が往復書簡をなさっていたのを見て、文を認めたくなったのです。

 

さて、私たちが作っている文藝誌についてですが、完成は年を越してしまいますね。受験生予備軍が多いですから、無理もないのですが、3月迄には完成させたいですね。

 

テーマというか、方向性というか「ロゴスあるカオス」というスローガンを立てましたが、我ながら面白い言葉だと思います。

 

ロゴスというのは、古代ギリシア語の「λόγος」から来ている言葉で、大変な多義語です。
あんまり良くないですけど、Wikipediaから引用すると、

1.言葉、言語、話、真理、真実、理性、 概念、意味、論理、命題、事実、説明、理由、定義、理論、思想、議論、論証、整合、言論、言表、発言、説教、教義、教説、演説、普遍、不変、構造、質問、伝達、文字、文、口、声、ダイモーン、イデア、名声、理法(法則)、原因、根拠、秩序、原理、自然、物質、本性、事柄そのもの、人間精神、思考内容、思考能力、知性、分別、弁別、神、熱意、計算、比例、尺度、比率、類比、算定、考慮などの意味。
転じて「論理的に語られたもの」「語りうるもの」という意味で用いられることもある。


2.万物の流転のあいだに存する、調和・統一ある理性法則。


3.キリスト教では、神のことば、世界を構成する論理としてのイエス・キリストを意味する。

人間の思考と語り基本的になんでもロゴスで形容できます。

イエス・キリストまで意味するんですね。探究する価値のありそうな言葉です。

 

一方のカオスですが、

主神ゼウスをはじめとするギリシャ神話体系における原初の神であり、全ての神々や英雄たちの祖にあたる。 オルフェウスによれば、このカオスは有限なる存在全てを超越する無限を象徴しているという。 カオスの名は「大口を開けた」「空(から)の空間」の意味を持つ。 配偶神はおらず、奈落のタルタロス、大地のガイア、愛と欲望のエロース、暗黒のエレボス、夜のニュクスを生み出した。

という意味があります。ギリシア神話の世界、興味深い。

現代では一般的に、「混沌」という意味で捉えられがちですが、混沌が適訳というわけでも無さそうです。

 

それを踏まえて、「ロゴスあるカオス」

古代ギリシア的に捉えればもう神の領域では?

 

原始の神の世界、空の世界にただ言葉、論理、ちょっと飛躍して、文藝のみが存在している。そんな世界の構築をしたいという意味が込められていたんですね。深いですね!

 

このときの「文藝」って純粋音楽ならぬ「純粋文藝」だと思いません?
残念ながら没になってしまったテーマ案「Ars Gratia Artis 〜藝術のための藝術〜」にも繋がりますね。如何?

 

そんな訳で、難しい問いを残して去りたいと思います。返信を頂けると大変嬉しいです。
(返信くれないと往復書簡にならないから頼む、気づいてくれ)

 

寒さの厳しい季節がやって参りました。お身体にはお気をつけて。では、また。

 

 草々

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